OTSL、世界初の自動運転向けリアルタイム・ミリ波レーダ・シミュレータ「Advanced Millimeter Wave Radar Simulator」を提供開始

~ 仮想モデルを自由に移動できる動的なシミュレーションで、より現実に近い運転状況を仮想空間に再現 ~

 

近距離無線システムおよび組込みシステム等の開発・販売を行う株式会社OTSL(本社:愛知県名古屋市、代表取締役兼CEO:波多野祥二)は、自動運転向けミリ波レーダ(*1)のリアルタイム・シミュレータ「Advanced Millimeter Wave Radar Simulator (AMMWRシミュレータ)」を本日より提供開始します。自動運転向けセンサ・シミュレータとして、世界で初めて動的なリアルタイムシミュレーションを可能にしたソフトウェア製品です。

AMMWRシミュレータは、ミリ波レーダを仮想的に3次元画像化し、照射範囲、角度、距離、反射強度、対象物との相対速度などの計算値をリアルタイムに可視化します。ミリ波レーダを搭載する自動車を仮想空間で走行させ、対象物となる追尾車や対向車、歩行者などの仮想モデルを移動させることで、より現実の運転状況に近いシミュレーションを可能にしました。自動車メーカをはじめ、システムサプライ・メーカおよび半導体メーカを対象に全世界で発売します。

自動運転の需要が拡大する中、ミリ波レーダをはじめ、カメラ、赤外線、超音波などのセンシング技術の向上が、高いレベルの自動運転を実現する重要な鍵となります。特に、現実の複雑な道路状況を正確に再現できる高性能な自動運転向けセンサ・シミュレータへの期待が高まっています。従来型のシミュレータ製品は、ミリ波レーダの照射モデル、対象物のモデルとも静止している状態でしかシミュレーションできず、時間の経過と共に連続的に変化する反射特性などの詳細なデータは収集できないため、現実の運転状況の詳細な再現は困難です。

AMMWRシミュレータは、対象物となる車や歩行者、信号、標識などのモデルの大きさや形状、素材を細かく設定できます。例えば、従来型の製品では「車」のように単純化したオブジェクトでしか認識できませんが、AMMWRシミュレータでは「フロントガラス」や「ヘッドライト」といった車の構成部分を個別にシミュレーションできます。また、物体との距離を簡易的に数値化することにとどまっていた従来製品に対し、本シミュレータはセンサから発するミリ波の送受信挙動をシミュレーションすることにより物体を検知し、高精度な距離計測を再現します。ミリ波レーダの照射強度や範囲、周波数などの特性も自由に設定可能なため、様々なメーカのミリ波レーダ製品をはじめ、試作中のミリ波レーダ製品のシミュレーションを行うこともできます。雨や霧など天候の変化がミリ波レーダの特性に与える影響も設定が可能です。可視化された3次元画像の視点を自由に変えられるため、運転席からの視点や上空からの俯瞰、後方視界など様々な場面を想定してシミュレーションできます。

本シミュレータを利用することで、自動車メーカは、センサのモデル化により実車によるテスト走行を実施することなくシミュレーションで走行を再現し、自動運転の認識、制御などの確認、車両へのセンサ取り付け位置の検証を効率的に行えます。システムサプライ・メーカ(車載センサメーカ)は、車載におけるセンサの挙動を見える化することで、ミリ波モジュールの設計パラメータの検討、到達距離・認識領域の確認を効率化できます。センサデバイスを開発する半導体メーカは、開発中のデバイスをモデル化してシミュレーションし、高速に検証を行うことが可能になります。

さらに、AMMWRシミュレータを購入したお客様には、ご要望に応じてミリ波レーダ向け地図データを作成し、ご提供いたします。実在の道路や建造物などのミリ波レーダの反射特性を地図データに統合し、現実の道路状況をより正確に再現した環境でシミュレーションができるようになります。

OTSLは、本日発表したAMMWRシミュレータおよび同時発売のLIDAR(*2)シミュレータ「ALR (Advanced LIDAR Simulator)」をはじめとする自動運転向けリアルタイム・シミュレータ製品群の開発を強化します。今後も、カメラ、赤外線、超音波センサに対応した製品を順次ラインナップに追加し、自動運転技術の進展に貢献いたします。

今回のAMMWRシミュレータ発売に際し、東京工業大学 工学院 電気電子系 松澤昭主任教授から以下のコメントをいただいております。

「自動運転の実現のためには、ミリ波レーダ、レーザ・レーダ、イメージセンサ、超音波センサなどの各種センサが不可欠であり、開発したセンサが様々な状況で適切に動作することを確認することが求められます。最終的にはフィールド試験が必要ですが、デバイス・システムの開発においてリアルタイム・シミュレータ上で確認できることが開発の効率化を図るために不可欠です。このリアルタイム・レーダ・シミュレータは光学分野で用いられてきたレイトレース法をミリ波に応用したもので、被写体の物質や形状、多重反射などを考慮に入れた、より現実に近い高精度シミュレーションを実現しています」

(*1)ミリ波レーダ:波長が1~10mm、周波数が30~300GHzのミリ波帯域の電波を対象物に向けて発射し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離や方向、大きさを測る技術。直進性の高さや精度の高さなどが特長で多くの自動車メーカが採用。

(*2)LIDAR:「Light Detection and Ranging」または「Laser Imaging Detection andRanging」と呼ばれる、波長の短いレーザ光を利用したリモートセンシング技術。

<ご参考情報>
本製品の機能詳細 http://www.otsl.jp/docs/product/cosmosim/

機能紹介の動画 https://www.youtube.com/channel/UCbwDUjairsHpMzCI9ZUB2ow/videos

<OTSLについて>
OTSLは、組込みシステムやリアルタイム・システム、近距離無線システムの企画開発を通じて高い技術力を提供するテクノロジ企業です。「論理により、人類の発展に貢献する。
高い信頼性を持つシステムを提供し、暮らしを豊かにする顧客製品に寄与する」を企業理念として、システム開発・ソフトウェア開発や品質保持に関するコンサルティング、教育サービスの提供に至るまで、先進企業がITのテクノロジ・メリットを最大限に享受しながら、テクノロジ・アドバンテージを製品とサービスの更なる進化へと直結させることを目的とした様々なサポート活動を展開しています。2003年設立。

<商標登録>
会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

世界初の自動運転向けリアルタイム・ミリ波レーダ・シミュレータを提供開始しました

2017年9月19日にリアルタイム・ミリ波レーダ・シミュレータを発表し提供を開始しました

ミリ波レーダを仮想的に3次元画像化し、照射範囲、角度、距離、反射強度、対象物との相対速度などの計算値をリアルタイムに可視化します。ミリ波レーダーを搭載する自動車を仮想空間で走行させ、対象物となる追尾車や対向車、歩行者などの仮想モデルを移動させることで、より現実の運転状況に近いシミュレーションを可能にしました。また、LIDARシミュレータ 「ALR ( Advanced LIDAR Simulator 」を同時発売します。

本シミュレータを利用することで、自動車メーカは、センサのモデル化により実車によるテスト走行を実施することなくシミュレーションで走行を再現し、自動運転の認識、制御などの確認、車両へのセンサ取り付け位置の検証を効率的に行えます。システムサプライ・メーカは、車載におけるセンサの挙動を見える化することで、ミリ波モジュールの設計パラメータの検討、到達距離・認識領域の確認を効率化できます。センサデバイスを開発する半導体メーカは、開発中のデバイスをモデル化してシミュレーションし、高速に検証を行うことが可能になります。

製品紹介ページはこちら

組込み総合技術展”Embedded Technology2016″に出展しました

この度、私どもは 「組込み総合技術展2016」(ET2016)に出展しました。

展示会への来場者数は3日間合計で2万5千名超になり、当社のブースにもたくさんの方々にお立ち寄り頂きました。

以下の製品についてデモンストレーションや事例紹介を交えてご紹介しました。

  • 組込み向けハイパーバイザ「PikeOS」
  • 「PikeOS」エンジニアリングサービス
  • 割込み干渉解析ツール「繙HIMOTOKU」
  • 開発ドキュメント連携支援ツール「MOYAI2.0」
  • オートバリデーション(自動検証)ツール

また、展示会恒例になりました、ET/IoT Technologyフェスタを11月17日(木)17:00から当社ブースにて開催し、ご来場の方とワインを片手にざっくばらんに情報交換できました。

お忙しい時期にもかかわらず、多くのお客様にご来場いただき盛況のうちに終了させていただきましたこと、御礼申し上げます。